こんにちは。 ナインです。 本日も本の紹介です。 今回紹介する作品は 『藪の中』 です。 芥川シリーズ第9弾です。 基となった作品は『今昔物語集』の巻二十九第二十三話「具妻行丹波国男 於大江山被縛語」です。 芥川はこの作品を最後に王朝物を書かなくなったので、『藪の中』が芥川にとっての最後の王朝物となります。 この作品は、複数の視点から同一の自称を描く内的多元焦点化(ジュネット)の手法がとられています。 とある事件が起こり、その事件の目撃者と当事者が告白するという流れで物語が進んでいきます。 タイトルからわかるとおり、この作品の結末は藪の中です。 「藪の中」という語もこの作品が元となってできました。 今更ですがネタバレありです…… まあタイトルが壮大なネタバレなんですけどね…… あらすじ 藪の中で男の死体が見つかった。 以下は検非違使(今の裁判官と警察官とを兼ねたもの)の尋問への証人たちの証