世界一の強度を持つマグネシウム合金の開発に成功したと、熊本大の河村能人教授(金属工学)らが20日、大阪市内で発表した。強度は512メガパスカルで、従来のマグネシウム合金では440メガパスカルが最高。世界記録を大幅に更新した。 航空機に使われるアルミニウム合金の超々ジュラルミンの505メガパスカルよりも高強度で、重さも3分の2しかないため、自動車部品や航空機への応用が期待される。河村教授は「マグネシウムは実用金属の中で最も軽く、輸送のための機器の軽量化が可能。環境に優しい社会の実現に貢献できる。資源も豊富で日本発の新材料として確立したい」と話した。 河村教授らはマグネシウムに配合する元素の種類や割合を検討。ニッケルとイットリウムを加え「長周期積層構造」と呼ばれる特殊な重層構造を備えた合金を開発した。通常の合金製造法で作ることができ、量産化も可能。特許を申請中という。 共同通信 http://