<質問に答えてくれた人> 江畑謙介氏 1949年千葉県生まれ。上智大学大学院理工学研究科機械工学専攻博士後期課程修了。湾岸戦争時にテレビの解説者として活躍。著書に『日本の防衛戦略 自衛隊の新たな任務と装備』(ダイヤモンド社)、『情報と戦争』(NTT出版)、『米軍再編』(ビジネス社)などがある。 最初にお断りしておきますが、ある状況を想定してその戦いで勝てるかはあまり意味がありません。たとえば、中国はおよそ3500機の戦闘機を保有していて、日本は300機しかない。だからといって「中国が有利」などという単純な量的比較は意味がないんです。 国家が武力を行使するには、軍事力とともに〈政治的な意思〉が必要です。日本には軍事力はあっても、それを国家主権発動の手段として行使することはないと憲法で宣言しています。また中国との関係を考えたとき、今現在、中国が突然日本に対して大規模な武力行使する可能性は