19世紀フランスの詩人で「早熟の天才」と呼ばれるアルチュール・ランボー(1854〜91)が、文学を捨て中東・アフリカへ去って以降の30代とみられる写真がこのほど、パリで発見された。 ランボーの写真は17歳ごろに撮られた1枚が有名だが、中東時代は不鮮明なものが多く、専門家は「大人のランボーを鮮明にとらえた初の写真」としている。 19世紀末のアビシニアのアデン(現イエメンのアデン)の様子を撮った写真の束から、パリの書店主らが見つけた。ホテルの外付き階段で、他の欧州人たちと談笑するランボーがとらえられている。撮影日時ははっきりしないが、1880年代とみられている。 10代〜20代前半に詩集「酔いどれ船」「地獄の季節」「イリュミナシオン」を出し、パリの文壇を驚嘆させたランボーは、1875年ごろから詩作を放棄。中東、アフリカを放浪し、武器取引や奴隷の売買を行ったとされる。91年11月、37歳で死去し