本連載は、オブジェクト指向言語(Java言語など)の経験がある方に、オブジェクト指向における分析設計の流れ・考え方を理解していただくことにより、少しでも現状の改善に役立てられることを目標としています。 一般的に、オブジェクト指向を使うと、保守性・拡張性に優れたシステムが作れるといわれています。しかし、実際には、「オブジェクト指向を使った開発手法のどの部分が保守性・拡張性に貢献するのか分かりにくい」というのが実情ではないでしょうか。この連載では、システム開発における分析から実装の中でも、特に保守性・拡張性の視点から重要なポイントをピックアップして、説明していきたいと思います。 連載第1回は、まず、現状のシステム開発(ビジネス・アプリケーション)における分析設計手法の問題点を整理し、変更性・拡張性の重要性と定義を説明したいと思います。 現状のシステム開発における問題点 ビジネスアプリケーション