抗体はライフサイエンス研究全般において必須の道具の一つで、免疫学的測定・解析をはじめとして、細胞やタンパク質の機能解析、遺伝子の発現スクリーニングなどの基礎研究においても利用されています。1975年にKöhlerとMilsteinによってモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ細胞株の樹立方法が確立されて以来、生命現象を個々のタンパク質レベルで研究するための最も重要なツールのひとつとして活用されてきていることは言うに及びません。さらには、昨今では近未来の医療を担う抗体医療の直接的な手段として、世界各国の製薬企業が抗体医薬品の研究開発に大きな力を注いでいます。 このようにライフサイエンス研究において広く活用されている抗体ですが、動物種や使用する原料によってサンプルの前処理方法や精製方法が異なり、実験目的によって求められる純度も様々であるため、タンパク質精製を初めて行う研究者にとっては抗体の