「吾人の和平の希望が全く断絶せられざる以前に於ては、平等互恵及領土主権互尊の原則により漸次に解決を策し、冀東、察北の匪偽をしてその倚頼する所を喪はしめ、我華北行政及主権の障害を除去し、以て主権の完成を期すべし」(同前、262頁) と述べている。 翌日発表の正式宣言では傍線の部分が削除されていたが、いずれにせよ、この宣言が、領土主権の完成を対日交渉の最低限要求として貫徹しようとする強い決意を示すものであることは明らかであった。 三中全会は同時に、赤禍根絶決議案を採択しているが、これは共産党を許容する4条件を提示した点に特色があった。4条件とは、(一)紅軍の解消による軍隊の統一、(二)ソビエト政府の解消による政権の統一、(三)三民主義と相容れない赤化宣伝の停止、(四)武装暴動・階級闘争の根本的停止であるが、これは実は、共産党側が国共合作実現のために自ら提起した4ヵ条の保障を うけいれたものにほ