[2006年5月4日0時6分 読売新聞] 東京都世田谷区で2000年に起きた会社員宮沢みきおさん(当時44歳)一家殺害事件の遺族で、亡くなった子供たちが大切にしていたクマのぬいぐるみを題材にした絵本「ずっと つながってるよ」(くもん出版)を出版した入江杏(あん)さん(48)が3日、東京・上野の東京国立博物館平成館で講演した。 入江さんは、みきおさんの妻泰子さん(同41歳)の姉。絵本では、ぬいぐるみの「ミシュカ」が一家を失った悲しみから立ち直るまでを描いた。 入江さんは、事件後、遺志をどう社会に伝えるかを考えるようになるまでの経緯について話し、「自分は人とつながっているという思いこそ、前に進む力だと伝えたい」と訴えた。 また犯罪被害者報道についても触れ、「自身はこれまで匿名を通してきたが、実名発表されてもその人らしく生きられる社会の実現を願っている」と結んだ。 [2000年12月31日 22