「不世出の政治家」「今太閤(たいこう)」「コンピューター付きブルドーザー」「庶民宰相」=田中の異名 「裸一貫で郷里を発(た)って以来、1日も休むこともなくただ真面目に働き続けてまいりました」=政権の座を降りる決意をした時の心境。 下駄履(げたば)きで屋敷の池の鯉(こい)に餌を与えるメディア映像は有名。 「田中角栄大悪人か然(しか)らじか呼び捨てられて何がな親し」=歌人の竹山広(1920年〜)さんの一首(ロッキード事件当時の世相を詠んだ時事詠で、権力の絶頂期よりもむしろ落ちた偶像となった身に、そこはかとない親しみを覚えたという意味)。 田中が東京地検特捜部に逮捕されたのは、政権を退いて2年足らずの1976年(昭和51年)の7月27日のこと。 なお、05年4月に読売新聞の世論調査で「戦後発展の功労者」を尋ねたところ、日中国交回復などの業績を評価してだろう、5人に1人が田中の名前を挙げ