習近平主席の意向を忠実に実行する「親信」の一人・王毅外相 中国を中心とした新たなアジアの金融秩序の構築とも言えるアジアインフラ投資銀行(AIIB)に、日本が、そしてアジア太平洋全域が揺れている。中国が加盟申請の期限を、3月31日に設定しているからだ。日本は参加申請を見送ったが、3月25日にはオーストラリアが参加を表明。翌26日には韓国とトルコが、28日には台湾も参加を表明し、36ヵ国・地域になった。 習近平政権はいったい、21世紀のアジアをどのような形に変えようとしているのか。そのヒントとなるのが、全国人民代表大会(国会)会期中の3月8日に王毅外相が行った、年に一度の内外記者会見だった。 王毅外相は、習近平主席の「親信」(側近)の一人である。王毅外相とも親しい中国外交部のある外交官OBは、次のように解説する。 「習近平と王毅は、同じ1953年北京生まれで、青年時代に習近平は陝西省へ7年、王