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名文に関するamalicheのブックマーク (6)

  • 飛べないパンチラのために僕は祈る - Everything You’ve Ever Dreamed

    結局のところ、彼女のために、僕が出来ることといったら祈ることだけなんだと思う。だから僕は祈る。どれだけ傍迷惑と思われようとも。嫌われようとも。人のために祈るって、たぶんそういうことだ。 夕暮れ時、駅へと繋がるビルディングのエスカレーター。僕の前にはパンツが見えてしまいそうなほど丈の短いスカートをはいた女子高生がいた。僕にとって、パンツなんて性器と肛門を隠すだけの布切れだ。パンチラ一瞬、怪我一生。あらぬ疑いをかけられないよう、僕はちょっとわざとらしいくらいに、大袈裟に、身体を横に向けて、窓の外を眺めることにした。ささやかな、静かな幸福を守るためには、一層の慎重を要するのだ。 窓ガラス越しの景色は、エスカレーターが昇っていくにつれ、変化していった。建物の間の夕空は大きくなっていった。人間はこの空を飛ぶことを、許されなかった。優秀な頭脳と、言葉と、手先の器用さは与えられても、翼だけは与えられなか

    飛べないパンチラのために僕は祈る - Everything You’ve Ever Dreamed
  • オッサン・クルージング・ラヴ - Everything You’ve Ever Dreamed

    この春から最寄りの駅まで自転車を使って通勤している。バス代の節約と健康のために。朝7時半ちょうどに赤いママチャリにまたがる生活。朝の空気が体の外側を流れていく感覚は思いのほか、心地よいものだ。女の子の横を過ぎるときにはストールする寸前まで徐行。二人乗りのアベックのうしろに貼り付いてスリップストリーム。あぁ朝がこんなに楽しいなんて。 先々週だろうか。奴が現れたのは。僕の娯楽を侵略する悪い奴。白いママチャリを駈るオッサン。推定五十才。圧倒的なスピードで僕をぶっちぎっていく。抜いた瞬間にジリジリっと錆びたベルを鳴らす。最初は気にしなかったのだけれど、毎朝、追い抜かれていたら世界中のどんな平和主義者だって自転車に油をさすだろう? 奴のスピードの秘密は独特のフォルムと地の利にある。フォルム。奴は前頭部が禿げている。毛髪は後頭部に縞模様を描く程度に遺すだけ。空気抵抗は限りなく少ない。地の利。奴は丘の住

    オッサン・クルージング・ラヴ - Everything You’ve Ever Dreamed
  • 甲殻のガールフレンド - Everything you've ever Dreamed

    奇蹟なんてそう滅多に起きるものじゃないなんてことは僕にだってわかっている。たとえば大事故のニュース。生存者の見込み無し。「無し」。わかってる。そんなことは。でもさ、そんなとき、一人でも、一人でいいから救われて欲しいと思う。暗いニュースを見るたび、そんな奇蹟が起きるのを僕は信じてやまない。 昼、天津丼をべていた。卵にとじられた蟹の欠片を箸で持ち上げ、口に運ぶ。味の染みたご飯をかきこむ。そんな事の最中に、ふと、蟹を飼おうと思った。川原にいる地味な奴や、アメリカからやってきた海老っぽい面をした奴じゃなくて、ズワイかタラバ。個人で飼育できる生き物なのかどうかは知らないけれど。そして卵から孵った子ガニ達を海へ放つんだ。 挨拶に毛が生えたようなメールを送ることなく消している。送り先のアドレスと電話番号を自棄になって消してしまったせいで送れないのだ。お酒が入るとそんなことを忘れてしまう。いざ送信しよ

    甲殻のガールフレンド - Everything you've ever Dreamed
  • 駄菓子屋ガール・ロックンロール - Everything You’ve Ever Dreamed

    地元にある駄菓子屋は婆さん一人で切り盛りしてるような小さい店でお世辞にも綺麗とはいえない。もう25年も前の話になるのだけれど、婆さんの駄菓子屋の店頭にはカラフルな飴玉がつまった瓶、駄菓子、水風船、零戦ヒコーキが溢れ、毎日のようにボンクラ小学生が取り囲んでいた。僕もそのうちの一人で「うまい棒」や「よっちゃんイカ」や「ベビースター」を毎日のように買っていた。そこは僕らの宝島だった。 ガンプラが流行ったとき、プラモ屋が「ド・ダイYS」とザクの「武器セット」を抱き合わせにするような阿漕な商売をして、「あそこではもうプラモ買わねー」「エンガチョ」「店の前に犬のウンコ置いちゃおうぜ」「立ちションしよーぜ」と百円玉3枚を握り締めたボンクラ小学生の失望と顰蹙と怒りの標的になったけれど、婆さんはそんな商売っ気を微塵も見せることなくガンプラが入荷するや否や「シャーガンダムあるよ〜」と僕らに声を掛けてひとつずつ

    駄菓子屋ガール・ロックンロール - Everything You’ve Ever Dreamed
  • 秋空の下オッパイは音楽を奏でた - Everything You’ve Ever Dreamed

    知らない公園に足を踏み入れる。「オートバイの乗り入れは禁止いたします」と書かれた看板の脇をぬけ煉瓦の敷き詰められた小路を歩く。シーズンオフの野球場に人気はなくて、野球場の円形に沿うかたちで小道は走っていく。球場外に設置された焦げ茶色の照明灯に時折出くわす。球場のゲートには「L」と「R」のアルファベットと数字が書かれたボードが掛けてあってそのすべての扉にカギがかけられている。隙間から見えるスコアボードには何も記されていなかった。夏の残骸。 僕はL‐5ゲートから少し離れたベンチに腰を掛けた。傍らに鎖で縛られた錆びたバスケットゴール。見上げた空は青く、薄く、静止した雲はカンバスに乾いた白の絵の具をこすったように淡かった。流れる空気はひんやりと冷たくて僕は息を吐き出し、それが白くならないことでまだ秋が終わってないと確かめる。僕の右手が僕のいうことを聞かなくなったのも、こんな秋の深まった空の下だった

    秋空の下オッパイは音楽を奏でた - Everything You’ve Ever Dreamed
  • 赤塚不二夫さん葬儀 タモリさんの弔辞全文(産経新聞) - Yahoo!ニュース

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