同感<->反感の振幅が激しい読書論。言ってることには激しく同意だが、やってることはかつてわたしの通過したところ。 たとえば、「本は積んで破って読め」や「読書の腕前」の上げ方、あるいは「ベストセラーは十年後に読め」は大賛成。読書は量だというわたしの信条とも一致する[参照]。その一方で、人のオススメを顧みない唯我独尊な選書や、なんでも「円」で計りたがるせどらーちっくな態度は、たまらなく厭だ。 ―― とはいえ、さすが本職の書評家、良い本をたくさん読んでいる。book of book として「これから読む本」を拾ってモトは取る。さらに、書評をメシの種にすることの大変さが窺い知れて、好きでやってる自分の幸せを噛みしめる。 著者は岡崎武志氏、朝日の読書欄「ベストセラー快読」の執筆子といえばピンとくるだろうか? 巷のベストセラーを名うての本読みに評させる試みで、「なぜベストセラーなのか」の分析が辛口。