2007.03.12 小川国夫目線。 (7) カテゴリ:ヒラカワの日常 日本経済新聞の文化欄に 小川国夫が「煙草」と題する小文を寄せている。 『アポロンの島』に漲っていた孤独であることの瑞々しい緊張感は この文章からは消え去っている。 が、言葉の手触りに馬鹿正直に、どこまでも押してゆくと こんな文体になるといった書き方に好感をもったのである。 気持ちを揺すぶられたといった方がよいかもしれない。 写真が出ている。 小さい写真なので細部はよく判らない。 随分お年をめされたといった風情である。 お若いときには ギリシアをオートバイで走るにふさわしい 彫刻刀で掘り出したような頬の線が、 今は幾分やはらかくなって、縦に皺が走っている様子である。 こういう縦皺はなかなか日本人にはできにくい。 かつて、図書館で W・H・オーデンの顔を見たときに その皺の美しさに見とれてしまったことがあった。 オーデンの
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