吉本隆明は、著書『共同幻想論』(1968年)で人間関係は、3種類に分類されると提唱した。 自己幻想 個人と自我の関係。芸術などの個人的な活動がこれに当たる。他者に影響を及ぼすことはほとんどなく、無制約に自由である。 対幻想(ついげんそう) 個人と他者とのプライベートな関係。家族・友人・恋人がこれに当たる。 共同幻想 人間同士の公的な関係。国家・法律・企業・経済・株式・組合 などがこれに当たる。また、宗教は、個人の内面に収まる限りは自己幻想に当たるが、教団を結成し、布教を開始すれば、共同幻想に当たる。 この分類は効果的であり、日々の生活においては世界を正しく見るうえでこれらの3つの幻想領域を混乱、混同させようとしないことが大事であると吉本は主張する。これらはそれぞれ独自の法則から動くものとされていることが理由である。 例えば、吉本は心理学者のジークムント・フロイトはリビドーという対幻想性を、