浜野 話を続けると、映画好きだったら、『カラフル』見て真っ先に思い出す作品があると思います。フランク・キャプラ監督作品の『素晴らしき哉、人生!』(1) です。 死のうとしたところに、天使が助けの手を差し伸べるっていう設定自体、よく似ている。でも、決定的に違う。 フランク・キャプラの場合、善と悪の、二元論的な対立。善だからこそ死ななくて、ハッピーエンドに至るっていう、要するに予定調和的なんです。 でも『カラフル』には、主人公の真(まこと)が大切に思う人が、不徳や背徳に手を染めているっていう二面性、多面性がある。そのことに真は傷つき、憤るんだけども、丸ごと受けとめる。 それはもう、決定的にフランク・キャプラ流の善悪二元論と違う。スタンリー・キューブリックが言ったように、人生はキャプラの映画のようなものではない。 (「キャプラは、われわれが皆がこうあってほしいと望んでいるような形で、ものごとの姿
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