家電メーカーの業績が急速に悪化している。パナソニックとソニーとシャープが発表した2012年3月期の業績見通しによれば、3社の赤字の合計は1兆6000億円を超える。常識的には経営破綻や企業買収・売却が起こっても不思議ではないが、今のところ出ているのは、台湾の鴻海精密工業がシャープの筆頭株主になったぐらいだ。 「引責辞任」したはずの3社の社長はそろって会長などに残留し、後継社長はその子飼いだ。これで思い切った経営の転換ができるとは思えない。 誰もが口をそろえて「選択と集中」を唱え、人員整理を発表しているが、問題は労働者ではなく経営者の整理である。 家電は今やコンピューター産業 メーカーの社員に「何でこんなひどいことになったのか?」と訊いてみると、答えはほとんど同じだ。「やるべきことは、社員はみんな知っている。経営者がやらないだけ」 特に赤字の最大の原因となっている液晶テレビは「日本で生産しても
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