2011年1月10日の日本経済新聞朝刊は、「マグネシウム合金、『世界一の強度』開発、電通大、レアアース不要」との見出しで、結晶粒を加工してマグネシウム合金の強度の向上に成功した電気通信大学の試みを紹介した。また、2010年1月27日の日経産業新聞では、産業技術総合研究所などが低コスト化につながるマグネシウム合金の圧延材を開発したという話題を紹介した。 アルミニウムよりも軽いマグネシウムは、自動車などの高燃費化に貢献する軽量素材として注目されており、より高い強度や低コスト化を狙った研究が精力的に進められている。これらが実を結び、工業製品などへの普及が拡大すれば、省エネ型の社会を支える重要な素材になることは間違いないだろう。 省エネ型の社会を支える、大きな要素の一つが軽量材料である。マグネシウムは比重(1cm3当たりの重さ)が1.74とアルミニウムの約3分の2で、工業的に利用している金属のなか