秋葉剛史『真理から存在へ:〈真にするもの〉の形而上学 』(春秋社、2014年)を(だいぶ前に)著者の秋葉さんからいただいた。ありがとうございます。 博論をもとにした著作ということもあって内容的には高度なところもあるのだけど(特に心的因果の問題を扱った第8章は難しいと思う)、説明が丁寧だし、読者を迷子にさせない配慮に富んだ本なので、現代形而上学に馴染みのない人でも挑戦してみる価値があると思う。すでに科学基礎論学会の研究集会で書評セッションが行われたし(面白かったので、ぜひとも論文で読めるようにして欲しい)、おそらく『科学哲学』あたりにそのうち書評がでるだろう。というわけでここでは、『ワードマップ現代形而上学 』のときと同じように、やや搦め手から、現象学と現代形而上学の関係についての我田引水めいた覚え書きを残しておきたい。そしてそれをもって、「現象学を学ぶ人のための現代形而上学・現代形而上学を