日本ではあまりなじみのないこのトルクメニスタンという国は、ソ連崩壊の際に初代大統領に就いた故サパルムラト・ニヤゾフ氏が終身大統領となって、個人崇拝に基づく独裁体制を築き上げた国であり、ニヤゾフ前大統領存命中は「中央アジアの北朝鮮」とも呼ばれていた。 ニヤゾフ前大統領への個人崇拝ぶりを示す例は枚挙に暇がない程であるが、例えば、首都の中心部に設置された前大統領の「金像」(←「銅像」ではない)は、前大統領が常に太陽の方角を指し示すように常時回転している。 また、前大統領の著作『ルフナマ』(「魂の書」の意)は、コーランに匹敵する重要な書物として国民の必読文献とされ、同書の内容理解が学校の成績や職場での昇進等に影響した。