【モスクワ=遠藤良介】北朝鮮の核実験を受けロシアが制裁強化を含む国連安全保障理事会の新決議を支持する姿勢を見せている。4月の長距離弾道ミサイル発射時には中国とともに日米韓の制裁論議に歯止めをかけたものの、北朝鮮がもはや自国に制御できない形で核開発を進め、ロシア外交のよりどころである「核保有国の秩序」に挑み始めたと認識したためだ。ただロシアでは6カ国協議による対話重視の考えも根強く、制裁内容をめぐる具体的な出方はいぜん不透明でもある。 ロシア外務省は核実験の行われた5月25日に「明確な国連決議違反だ」との声明を速やかに出したほか、チマコワ大統領報道官も「核実験の主導者は国際社会への責任を負う」と金正日総書記を強く非難した。4月のミサイル発射の際は「人工衛星だ」と主張した北朝鮮にくみしたのに対し、今回は「厳しい措置が必要」との総論で日米韓と一致している。 ロシアは従来、「北朝鮮のミサイルは自国