「ポスト胡錦濤」への暗闘 熾烈さ増す、江派の巻き返し (1/2ページ) 2009.10.21 07:45 □評論家・石平氏 習近平・中国国家副主席が訪問先のドイツで取った行動が注目を集めている。 10月12日に会談したメルケル同国首相に、江沢民・前国家主席の著書2冊を贈呈し、江氏からの「よろしく」との言葉を伝えたというのだ。 江氏は4年半前に一切の公職から退き、無位無官。中国副主席が一民間人のメッセージを主要国首相に告げるのは外交儀礼、慣例から唐突というほかない。しかも、メルケル氏の首相就任時、江氏は引退しており、両者に指導者同士の付き合いがあったわけでもない。 中国の新華社配信の会談記事を丹念に読むと、副主席の口からは胡錦濤主席の名は出ていなかったことが判明、それも不自然だ。 不可解な挙動は、伝言を託した江沢民氏の意を受けたものであろう。実はそれ以前から、江氏の動きはすでに怪しくなって