中国広東省トップの汪洋共産党委員会書記(54)(党政治局員)は30日、海外メディアと会見し、「言論の自由の制限がないために人々の抗議活動が絶えず、首相が短期間でころころ代わる国や、議員同士が乱闘する国もある」と述べ、タイや韓国を念頭にアジアの民主国家での政治の混乱ぶりを当てこすった。 言論の自由について問われた汪氏は、憲法の規定などを取り上げ「中国に言論の自由が欠けているとは思わない」と前置きしながらも「どのような国であっても、前提条件がある」と強調。政情が不安定なアジア諸国の事例を持ち出し「人口13億の中国でそんな(言論の)自由を実行したら結果は想像できない」と述べ、中国で言論の自由を制限する正当性を訴えた。 汪氏は胡錦濤国家主席と同じ党青年組織、共産主義青年団の出身で、胡主席とも親しく、次世代の指導部入りを有望視されている。(共同)