米国、ロシア両国の安全保障専門家12人が19日、イランの核やミサイル開発に関する報告書を発表、欧州に対するイランの脅威は「切迫していない」として、米国のミサイル防衛(MD)計画を「無意味」と結論付け、オバマ米政権に計画棚上げを提言した。 報告書は欧米双方に拠点を置くシンクタンク「東西研究所」がまとめた。イランの核開発について報告書は、核兵器開発を政治決断すれば1~3年で「最も単純な核爆弾」を開発できるが、ミサイルに搭載可能な核弾頭とするにはさらに5年かかると予想した。 重量1000キロの核弾頭を搭載し、欧州南部に届く射程2000キロの弾道ミサイル開発にも6~8年を要すると指摘。総合的に考えると、MD計画が根拠とするイランの核・ミサイルの脅威は「イランが外部から支援を受けない限り、おそらく10年後も形にならない」との見方を示した。 (共同)