現在では、ろう者(全く聴力のない方)に対する理解は広がりつつあります。しかし、それ以外の聴覚障害者(中軽度難聴)に対する理解は、まだまだ広がっていないようです。僕自身、中度難聴相当の聴覚障害者です。 聴覚障害者が理解されにくいのは「音は聴こえている」からだと思っています。 「音」と「声」は似ていますが、全く別物です。「音」を認識できても「声」を認識できるとは限りません。声は、様々な周波数で成り立っていますが、聴覚障害は、各周波数が一律に聴こえにくくなるわけではないからです。僕の場合であれば、聴力は周波数によって 30dB - 90dB という開きがあります。 この事は、大きな声であっても、認識できない場合がることを示します。声が欠けて聴こえているわけで、たとえ大きな声でも判らないものは判らないのです。 聴覚障害者は、「音」「声」「唇」の断片を拾いながら、自身の知識に基づき、頭の中で会話を再