有田芳生の『酔醒漫録』 ジャーナリスト、新党日本の副代表として挑む日本の根本的転換。その眼から見た日々の雑感を綴ります。「酔醒」は中国の「梁書」にある「酒を飲むこと能はざるも、賓客交遊を好む。終日獻酬して、其の酔醒を同にす」から取りました。 4月21日(土)吹上温泉の「みどり荘」。部屋の椅子に座り右手を見ると大きな池がある。虫の声と琴の調べが気持ちを落ち着かせる。斎藤茂吉が逗留していた宿でもある。いまから62年前のいまごろ、この宿に泊った若者が数日後には特攻隊員として出撃していった。「散華」した者、引き返して生き残った者、その究極の選択はさまざまだった……。朝、ホテルを出て知覧に向かう。まず特攻隊員に母のように慕われた鳥濱トメさんが営んでいた「富屋食堂」跡へ。お孫さんの鳥濱明久さんに当時の説明をしてもらう。笑顔の特攻隊員の写真は、いわゆる報道写真だとわかった。「さあ笑ってください」と軍の報