アレックス・ラインハート『ダメな統計学:悲惨なほど完全なる手引書』西原史暁訳, 勁草書房, 2017. 統計学。「べからず集」であるので、読むには初歩的な統計学の知識が要求される。入門段階から一歩踏み出して実際に使ってみようという人から、すでに統計を使ってビジネスや研究に勤しんでいる人が、おそらく読者となるだろう。そういう人たちにとって本書は繰り返し読む価値がある。しかし、統計学への入門は別途必要である。 有意性の解釈やデータの使いまわしなど、分析者が陥りやすい罠について説明し、罠回避のために有意性よりも信頼区間を重視することなどをアドバイスしている。楽しんで読む内容ではないが、それでも読みやすくなるように配慮がなされている。とりわけ説明に用いる事例の選択がなかなか興味深い。「美しい両親は娘を持ちやすい」(サトシ・カナザワ‼)「兄のいる男性はそうでない男性よりゲイとなる確率が高い」など、「
![統計学べからず集。解説ナシだが訳者注が熱い - 29Lib 分館](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/df3a50c14b465108d37d0f484920317dd74971fb/height=288;version=1;width=512/http%3A%2F%2Fu.xgoo.jp%2Fimg%2Fsns%2Fblog.png)