地下約25メートルの作業現場に土砂混じりの水が勢いよく噴き出した。「ここから離れろ!」「ドーン」。8日早朝、福岡市の博多駅前で起きた道路陥没事故。大規模な崩落は、何らかの理由で粘土層を突き抜けた地下水が招いたとみられ、脱出はわずか15分前だった。 地下鉄延伸、工事24時間体制で 工事関係者によると、午前5時ごろ、市営地下鉄七隈線の延伸工事に当たっていた作業員約10人に緊張が走った。崩落の兆候を示す水漏れが、現場のトンネル上部から始まったからだ。 線路を敷く空間をつくるために固い岩盤層を削っては、崩落を防ぐためにコンクリートを吹き付ける作業の最中。トンネルの上には水がたまりやすい砂の層があり、トンネルにしみ出すことはあったが、噴き出すことはなかったという。 やがて水に土砂が混じりだす。作業員は間もなく現場から離れ、地上へつながる階段やエレベーターがある100メートル以上離れた「竪坑」を目指し