国土交通省近畿地方整備局は16日、奈良県五條市大塔(おおとう)町赤谷の土砂崩れダムについて、雨でダムの水があふれ出す「越流」を確認したと発表した。同日午前8時の時点で、水量の大きな変化や土石流の発生などは確認されていないが、整備局は、「せき止めている土砂が崩れて大量の水が流れる可能性もある」として、警戒を呼びかけている。 整備局によると、午前6時から7時までの1時間に、水位が7センチ低下。職員がヘリで目視した結果、幅約5メートルにわたって水が下流に流れ出ていることを確認したという。台風15号の影響で9月21〜24日にも越流しており、そのときの水の流れに沿って、再び流れ出ているとみられる。 下流に設置した監視カメラの映像からは、水量の変化や土石流の発生などは確認されていないという。整備局は、ヘリによる監視を続けるとともに、安全を確保した上で現地での排水作業に取りかかるとしている。現場付近