まだこんなことを言っている人がいるのかと、さすがにびっくりした。 すると格差と雇用の問題への対応には3つの選択肢しかないことがわかる. (1)だれからも奪わないしだれも救わない (2)だれかから奪ってだれかを救う そして, (3)経済成長 この3つ. 僕が常々残念だと思っているのは,低所得者層の生活保障の必要性を感じている論者の多くが(3)の選択肢に冷淡なところです.それどころか経済成長が現在の低所得者層の苦しい生活の原因だなんて思っている人までいる.経済成長と相対的な格差の関係については議論が残りますが*4,絶対的な貧困への唯一にして最善の処方箋は経済成長なのです. にもかかわらず,貧困・格差論の人は(3)を推さない.そして(2)についても主張の核とはならないようだ.すると……貧困・格差論者はいろいろな現状分析はするけれど改善の提案は持たない議論に向かわざるを得ないんじゃないだろうか.こ