しゃっくりは、突然起こる。「しゃっくりが長く続いてつらかったら、舌を少しの間引っ張ってもらうと、大抵は止まる」と、土浦協同病院(茨城県)麻酔科の近藤司医師はアドバイスする。しゃっくりの原因は、次第に解明されつつある。 ● 胎児期の名残 しゃっくりは、横隔膜(胸の内部とおなかの内部を隔てる壁で、筋肉でできている)のけいれん性の運動だが、なぜ起こるのかは完全には分かっていない。 しゃっくりを研究している近藤医師は、その原因について、次のように説明する。 「胎児は、母親の体内にいる時、羊水の中を漂っていますが、羊水中にある“ごみ”が鼻やのどの奥に詰まると、除去する必要があります。この場合に、横隔膜がけいれんを起こし、ごみを吸い込み、同時にごみが肺に行かないように声帯が閉じるのです。この一連の反射運動が、しゃっくりに相当すると考えられます」 しゃっくりをすると、「ヒック」という音が