ニュース番組の現場で 加藤陽子 高木さんの『国際メディア情報戦』を、私は「本」連載中からページを切り抜いて、毎号楽しみに読んでいました。ここでお書きになっていることは、国際社会で生きていくうえで、日本人に最も欠けている視点だと思います。 加藤陽子(かとう・ようこ) 1960年生まれ。東京大学教授。専門は近代日本史。主な著書に『それでも、日本人は「戦争」を選んだ』(小林秀雄賞受賞)、『昭和天皇と戦争の世紀』。『徴兵制と近代日本』、『戦争の日本近現代史』、『満州事変から日中戦争へ』などがある。 NHKのディレクターというと、近代日本史の研究者としては、二・二六事件の決起将校の通信傍受記録を発見した中田整一さんや、「昭和天皇独白録」作成にGHQ側で関与したフェラーズ文書を発掘した東野真さん、ノモンハン事件をソビエトの機密文書からたどった鎌倉英也さんなどがすぐに思い浮かぶのですが、高木さんはずいぶ