財務省は2月10日、昨年12月末段階の「国の借金」の残高を発表した。国債に借入金と政府保証債務を加えたもので、1029兆9205億円だった。 3ヵ月で9兆円も国の借金が減少 これを報じた新聞各紙の見出しは見事に同じだった。 「『国の借金』12月末は1029兆円 国民1人当たり811万円」(日本経済新聞) 「14年末の国の借金1029兆円 1人当たり811万円」(朝日新聞) 「昨年末の国の借金は1029兆円 1人当たり811万円3月末には大幅拡大も」(産経新聞) こんな具合である。 この統計は3ヵ月ごとに発表されている。国内総生産(GDP)統計などと同じだ。GDPは周知の通り、3ヵ月前の前期と比べてプラスかマイナスかが見出しになる。ところが今回、国の借金では肝心の比較が見出しになっていなかった。 実は、今回の統計数字は財務省にとって「不都合な真実」を物語っていたからだ。実は、昨年末の国の