小さな賭博機器メーカーの社長だったD・バーゾフは、世界最大のポーカーサイトを買収するという「無謀な賭け」を仕掛けた。世界最大級のゲーム会社や投資会社を向こうに回し、彼はどのようにして「人生最大の勝負」で勝ったのか? 2014年の初春、デビッド・バーゾフ(34)は前代未聞の提案を抱えて、マンハッタンにある世界最大の投資ファンド運用企業「ブラックストーン・グループ」に乗り込んだ。彼はモントリオールの賭博機器販売会社「アマヤ」の名もなき経営者に過ぎなかったが、壮大な計画を描いていた。ブラックストーンの信用部門の後ろ盾を得て、世界最大のオンライン・ポーカーサイト「ポーカースターズ」を、49億ドル(約5,900億円)で買収しようとしていたのだ。 まるで、自分がすべての切り札を握っているかのように、バーゾフは途方もない提案をぶつけた。アマヤの株価が7ドル弱だったのも顧かえりみず、ブラックストーンなどの