染色用具として用いられてきた伊勢型紙。彫刻前の原材料である型地紙(かたじがみ・渋紙とも呼ばれます)は、和紙3枚(→補足)を柿渋で貼り合わせて作られるもので、こげ茶色の強靭で、水に強くまた伸縮しにくく、彫りやすい独特な風合い・性質を持つ紙です。 伊勢型紙の産地である鈴鹿市白子地区・寺家地区で作られてきましたが、需要の減少とともに工場も減り、現在製造しているのは当社のみになりました。 ※これ以降、型地紙としての渋紙を単に「渋紙」と記します。(通常渋紙と言うと、型紙用途だけでなく、単に紙に柿渋を塗るなどの加工をした紙全てを指す場合があります。) 色渋紙(切り紙・切り絵用) 製造方法 和紙3枚を、その繊維の方向がタテ・ヨコ・タテと交互になるように(ベニヤ板状に)、柿渋を用いて貼り合わせます。2~3日放置し馴染ませた後、張り板に貼り天日乾燥し、1週間ほど室(むろ)の中で煙で燻し続けます(室枯らし)。