■バングラデシュを揺るがす「戦争犯罪」という名の亡霊=40年前の罪をめぐり衝突、200人超が死亡■ Entrance to Badshahi mosque / Shaun D Metcalfe 40年以上前の戦争犯罪。その亡霊がバングラデシュ情勢を揺るがしている。 2013年12月12日夜、アブドゥル・カデル・モッラ(Abdul Quader Molla)死刑囚(65)が絞首刑に処された。現地語ではKoshai(屠殺人)Mollaとあだ名される男だ。1971年、パキスタンからの独立戦争の最中、ダッカ市内で大量殺人および集団レイプを行ったとされている。 だが、この裁判はたんに戦争犯罪者が裁かされたという話では終わらない。明らかな政治的意図のもとに行われていると非難されているのだ。 ■ナショナリズム高揚と選挙対策としての戦争犯罪裁判 政権与党アワミリーグは2009年選挙のマニフェストで、独立戦