巻き貝の左巻き、右巻きは、発生初期の細胞の位置関係で決まることを、東京大の黒田玲子教授(生物物理化学)が初めて突き止めた。 実験で左右の巻きを自在に作ることに成功した。 生物は左右が非対称になっており、左右決定の仕組みは未解明な部分が多い。今回の研究成果が、ナゾを解く手がかりになるかもしれない。英科学誌ネイチャー電子版で発表した。 黒田教授は、左右両方の巻き型がある「ヨーロッパモノアラガイ」に着目。この巻き貝は、受精卵が初期段階に細胞分裂する際、巻き型を方向づける遺伝子の働きで、左巻き型は左に、右巻き型なら右にねじれるように細胞が配置されることがわかっている。 実験では極細のガラス棒で、細胞をそれぞれ逆向きにねじれるように押さえつけ、細胞の配置を変えた。 その結果、左巻き型は右巻き、右巻き型が左巻きにそれぞれ成長。内臓の形や配置も完全に逆になった。 実験で育てた逆巻き貝から生まれた子供を、