【ワシントン=勝田敏彦】感染症の予防に使われるワクチンに似た働きをする物質で、コカイン中毒患者の依存症をある程度防げることが、米エール大などのチームの研究でわかった。米医学誌アーカイブズ・オブ・ゼネラル・サイキアトリー10月号に発表した。 コカイン中毒に対するワクチンは、体の免疫系を刺激してコカイン分子にくっつく抗体を作らせる物質。抗体がついた血液中のコカイン分子は、「血液脳関門」と呼ばれる機構を通過できず、脳に入れなくなり、患者はコカイン吸引による絶頂感が得にくくなる。 チームは、18〜46歳の患者115人を二つのグループに分け、片方にはワクチンを、もう片方には偽薬を注射した。 その結果、ワクチンを投与された患者の38%で、絶頂感を防ぐのに十分な濃度の抗体が血液中に存在していた。また生活指導などの結果、コカインの使用を半分に減らすことができた患者は、濃度が低いグループでは23%しか