Copyright ©1998-2003 Petronius All rights reserved. 2001/04/22 修正 (2000/02/29 公表) 表紙 > 漢字・仮名 > 候文 候文は、文章の随所に「候」の文字を使用した、或る種改つた形態の文語体の文章を云ひます。 候文は、鎌倉時代にはほぼ成立し、江戸時代には公用文にも使用されてゐました。明治以後学校教育でも教へられましたが、現在では殆ど用ゐられる事がなくなつて仕舞つたほぼ死語に近い文体の一つです。 室町時代の初期に手紙文の作法書『庭訓往来(ていきんわうらい)』が書かれ、以後この種の書物の模範となりました。尤も、庭訓往来は、単に過去実際に交された候文書簡を集めて一冊の本にした程度のものにしか過ぎません。 候文には、過去形と終止形の区別がありません。読手が文章の全体を把握した上で、個々の「候」の部分が過去か終止なのかを判断す