本書はなかなかに傲慢不遜な書物ではある。著者はハッカー(高度なプログラマ)をルネサンス期におけるダ・ヴィンチやミケランジェロら芸術家に匹敵するものだと主張し、プログラミングという技芸をもとに、世界のすべてを語ろうとする。なぜ中学高校でおたくがいじめられるのか、という話から美の規範、そして世界運営のあり方に至るまで。たかがプログラマがなぜそこまで大風呂敷を? だがそれこそまさに、プログラミング/コンピュータという分野の持つ奇妙な性格を如実に示す。それはかれらの持つ美学や世界観の汎用性という話である。 科学でも工学でも、いやほとんどどんな分野でも、それなりの美学というのはある。それは格闘技や芸術活動に見られる型の概念に近い、というよりほぼ同じものだと言っていいだろう。そしてそうした型や美学は、ある種の世界観にも通じる。 もちろん、その世界観がどこまで適用できるか、という問題はある。工学分野にお
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