12.04.12 東京・品川の原美術館で現代美術家、杉本博司の個展が開催中だ。 スタイアライズド スカルプチャー 008[イヴ・サンローラン 1965年頃] 2007年 ゼラチンシルバープリント 写真というメディアの本質を問い、緻密な計算と高い技術に基づいた杉本博司の作品は、世界的に高い評価を得ている。これまでに劇場や海景、建築などのシリーズを手がけてきた氏が、本展の中心に据えたのが衣服の写真「スタイアライズド スカルプチャー」である。 いわゆるファッション写真とは異なり、文字通り「衣服を彫刻として見る」というのが本作の大きな狙いの1つ。本展では、1920年代から90年代にかけて発表された服の写真15点を展示する。服がデザインされた時代によって理想の体型が異なるため、各時代のマネキンを集め、ないものは制作したという。またモノクロ写真で諧調を美しく表現するためにマネキンをグレーに着色するな