広島中央署(広島市中区)で2017年に広域詐欺事件の証拠品8572万円が盗まれた事件で広島県警は14日、盗難の発覚後に死亡した県警の脇本譲警部補=当時(36)=を容疑者死亡のまま窃盗などの疑いで書類送検した。脇本警部補は生前の事情聴取で犯行への関与を否定し、物証も見つかっていないが、県警は状況証拠を積み重ね、容疑が固まったと判断した。 【グラフィック】広島中央署現金盗難事件の経過 警察署から多額の現金が盗まれた前代未聞の事件の発覚から約2年9カ月。脇本警部補は容疑者死亡で不起訴になる見通しで、捜査は終結に向かう。県警の鈴木信弘本部長は「警察職員の犯行を深くおわびする」と謝罪。職員をあらためて処分したと明らかにした。 県警は17年2月に詐欺事件の関係先から約9千万円を押収。同署会計課の金庫で保管していたが、そのうち8572万円が盗まれているのが同年5月8日夜に発覚し、捜査をしてきた。 書類送