「お前みたいな差別主義者は大阪に来るな」。緊張感に包まれた会議室の雰囲気は、怒号で一変した。 声の主は橋下徹・大阪市長(当時)。2014年10月、「在日特権を許さない市民の会」(在特会)の桜井誠会長(当時)と市役所の一室で向き合った。特定の民族への憎悪や差別をあおる「ヘイトスピーチ」が社会問題となり、対策を検討していた橋下氏が「自分が直接対応してもいい」と述べたことで実現した面談だった。 いざ始まると、2人が相手を「あんた」「お前」と呼び合うなど、すぐに険悪なムードに。それぞれの主張を言い合うだけで終わり、30分間の予定だった面談は10分足らずで打ち切られた。パフォーマンスの域を出なかった対面は「何の意味があったのか」と批判が集中した。
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