クビアカツヤカミキリによる食害や成虫の拡散を防ぐ防虫ネットが施されたサクラの前に立つ樹木医の宗實久義さん=明石市大久保町松陰 新型コロナウイルスの感染対策が緩和された今年の春は、満開の桜の下に花見客が集う。4年ぶりにかつての光景を取り戻した日本の春だが、桜の樹皮の下で危機が進行している。幼虫がサクラやウメ、モモなどの木を食い荒らす特定外来生物「クビアカツヤカミキリ」の被害が全国で広がっているのだ。専門家は「花見ができなくなる可能性は十分にある」と警鐘を鳴らす。(末吉佳希) 3月中旬、兵庫県芦屋市の桜並木の1本が姿を消した。のこぎりを手にした作業員がつぼみを蓄えた枝を次々と切っていく。切断された幹には小指ほどの穴が開き、中で数センチの白い幼虫が体をうねらせていた。 「いると分かっていても、いざ見つかるとつらい」。伐採に立ち会った樹木医、宗實久義さん(73)=姫路市=の表情が曇る。幼虫は樹木の
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