サブカル出版社のアスペクトでギャラ不払い問題が発生というニュースに出版業界では驚きとともに受け止められているが、筆者は驚かなかった。なぜならば、筆者も印税未払いに巻き込まれている当事者であるからだ。 筆者は、アスペクトから何冊か本を出している。ブックライター(編集者兼ゴーストライター)というかたちでかかわっている本も多いので詳細は省略するが、当初の関わりは2008年に『アメリカの高校生が読んでいる経済の教科書』という本の編集を担当したときだ。 当時を知る出版界の関係者であればご存じだろうが、この頃は雑誌が急速に売れなくなり廃刊が続出し始め、版元も倒産を始めた最初の時期だ。単行本企画もなかなか通らなくなり始めた。そんななか、企画がすんなり通ったことで安堵したことを覚えている。 フリー編集者になったばかりの筆者にとっては、出版企画が通った瞬間は社会に認められたようでうれしかった。むろん今でも同