クリーニング業界が震撼している。違法ドライクリーニングの実態について、国土交通省が大々的な調査に乗り出したからだ。調査対象は全国3万2000。うち8割以上が違法操業といわれており、是正措置による廃業が続出しかねない。ところが、この違法操業、そもそもは行政が容認してきたというから話は複雑だ。 昨年7月、全国600店舗をチェーン展開するクリーニング業界3位、ロイヤルネットワークが行政指導を受けた。「さいたま北工場」に対するもので、後に山形県や福島県の同社工場でも法律違反が判明している。 続く12月、今度は業界2位のきょくとうが全国約20ヵ所の工場で違法操業を続けてきたことが新たに判明。これも行政指導の対象となった。 クリーニング業界大手に対する立て続けの行政指導はいかにも異例である。何が「違法」だったのか。 問題は、ドライクリーニングに使われる「溶剤」である。水を使うと衣類が縮んでしまうため、