民主党の事業仕分けによって、理研と富士通の共同開発による世界一速いスーパーコンピュータ(スパコン)を作る国家プロジェクトが中止に追い込まれそうで、方々で話題になっているようです。 その議論は「日本は資源のない国だから科学技術に投資をしなくてどうするのか」といったものから「これは一種の公共事業で競争力のない特定の業界や特殊法人との癒着による談合だ」といったものまでいろいろあるようです。 しかし、こういう議論をしている評論家も民主党の議員や急にいろんなことをいいだした大物学者もスパコンを実際に使ったことがある人はいないのではないでしょうか。 ということで、だいぶ昔に基礎科学の研究をしていたころ僕はスパコンを毎日のように使っていたのですが、なんとか昔の記憶を思い出してスパコンというものを解説してみたいと思います。 1.スパコンはどうやって使うのか? おそらく科学者がなんか複雑な計算をスパコンで実