電気料金の値上げが相次いでも、電力市場の自由化は遅々として進んでいない。一方でガス市場には200社を超える事業者が参入して競争状態にあり、ガス料金は年々安くなっている。電力の代替エネルギーとして注目を集めるガスの現状を見ると、自由化のもたらすメリットが明らかになる。 資源エネルギー庁が7月12日に、専門家を集めて「ガス料金制度小委員会」の第1回会合を開いた。電力不足の心配や電気料金の値上げが続き、国のエネルギー政策としてガスの重要度が高まってきたからだ。 電力の代替エネルギーとしてガスコージェネレーションやガス冷暖房の普及を促進するうえで、ガス料金の安定が欠かせない。ガス料金は電気料金と同様に認可制だが、現行の制度を見直して、ガス料金の値上げを抑制することが委員会の狙いである。 LNGの輸入価格が高騰しても値上げなし これまでのガス料金の推移を見ると、過去30年間で2分の1程度の水準に下が