世界が最高のスポーツの祭典で色めく裏で、1枚の簡素なリリースがゴルフ界を大きく揺さぶっていた。 リオデジャネイロ・オリンピック開幕を間近に控えた8月3日午後、世界最大手の総合スポーツ用品メーカーである米ナイキ社が、ゴルフ事業の展開を大幅に縮小すると発表した。シューズやウエアといったゴルフのアパレル関連部門に注力するべく、ゴルフクラブ、ボール、キャディバッグといった用具ビジネスからの撤退を決めた。 あまりに突然の発表で、日本でも身内の社員や契約プロゴルファーですら、多くがニュースサイトやSNSで第一報を耳にし、困惑した。 もちろん、発信元の米国内での衝撃は一層大きなもの。用具部門からの撤退発表の翌朝には、フィル・ミケルソンやヘンリック・ステンソンが契約する同業のキャロウェイゴルフの株価が約6.5%上昇。影響は市場に即座に伝達したのである。 タイガー・ウッズとともに市場を席巻してきた。 ナイキ