聖人を思わせるラズロの澄んだ瞳があっての映画 この映画、しばらく前に見たのですが、なんとなく書くポイントが定まらずそのままになっていました。前作の「夏をゆく人々」に比べれば、この「幸福なラザロ」はかなり明快なんですが、それでも、なんと言うのでしょう、これは決して批判的に言うのではなく、映画がぼんやりしている感じがします。 幸福なラザロ / 監督:アリーチェ・ロルヴァケル そう感じさせる理由はいろいろあるんでしょうが、まず、時代(背景)がわかりにくいです。結局、ラザロがよみがえる後半が現代ということであれば、登場人物の年齢からして、前半は30年くらい前になり、その30年前はともかく、現代のシーンでさえ時代や社会との接点が見えにくいこともそのひとつです。 映像も古臭い感じがします。スーパー16mmフィルムで撮られているからなんでしょうが、今では眼がデジタルに慣れてしまっていますので、これは、逆