[はじめに] 米国胸部学会(ATS)と米国感染症学会(IDSA)は10年ぶりに肺非結核性抗酸菌症に関するガイドラインの改定を 行ない,2007年3月に発表した。1) 日本結核病学会非結核性抗酸菌症対策委員会は,この改定内容が大幅なものであり,かつ国際的整合性の見地から,わが国の診断基準(2003年発表)2)も、再検討の要ありとし,日本結核病学会評議員にアンケート調査を 行なった。回答者全員(回収率63%,126名)が改定の必要を認め,かつ簡潔な診断基準への要望が多数あった。 以上の経過で作業を開始,今回初めて日本結核病学会,日本呼吸器学会合同での肺非結核性抗酸菌症診断基準とした。 [注記] 1.近年のわが国での健診や人間ドックでの状況下では,画像診断や核酸同定法などの進歩で,臨床症状出現前 に診断可能になったという現状に即し,診断基準から「臨床症状あり」を外した。 2.従来の診